そこに行かなきゃ食べられない、その店であの味を味わうことが旅の目的になる!筆者にとってのそんな店はヨーロッパだけではない。初めて行ったタイ・プーケットがやみつきになり、休みが取れればプーケットに出かけるようになって久しいが、近頃はパトンビーチしか行かない。そう、バイレイのカオマンガイを食べたいがためである。
バイレイ – プーケット・パトンビーチ
パトンビーチにある「バイレイ」はカオマンガイ(蒸し鶏ご飯)の専門店。初めてこの店を訪れたのが2003年(スマトラ沖地震の前年)、すでに口コミも多く人気の店だった。宿泊したホテルがたまたま店に近く、現地のフリー情報誌の記事内容が気になったこともあっていってみたが、そのときはまだ看板もなく、店内では英語も通じないというなかなかハードルの高い店だった。
最初はどうやってお目当てのものを頼んだらよいかわからなかった。メニューはカオマンガイだけだと思っていたら、他にも数種類ある。しかしそこは地元で人気の店、店の前でテイクアウト用に蒸し鶏と揚げ鳥を並べていて、それを指させばよかった。すると店員が壁に貼られた料金表を指差した。どうやら大盛り、普通盛りを聞いているようだった。料金表で見た数字の少ないほうを指し、それでオーダーはOK。
店内はエアコンなど効いていない。訪れるのはいつも夏のパトンだから、当然暑い。
たれが辛いことは分かっていたので一緒にシンハービールを頼んだら、ちょっと戸惑って首を横に振った。どうやらビールは置いていないらしい。「それならいいよ」といったジェスチャーをしたら、しばらくして外からビールを買ってきてくれた。かえって気を遣わせてしまったようだ。それ以来店内で食べる時は、店員に余計な気を遣わせないようにミネラルウォーターで食事をする。
これがカオマンガイ(Khao Man Gai)
カオマンガイは東南アジア各国で好まれるチキンライスのタイ語名。日本ではシンガポールのチキンライスが有名だが、個人的には断然タイのカオマンガイが一番だと思っている。国によってソースまたはタレが違うが、ジャスミンライスの上に載せられた蒸し鶏のスタイルは変わらない。付け合せにきゅうりの輪切りと、別盛りでパクチーが一皿。これにチキンスープがつく。
ほぼ待つことなく、お目当てのカオマンガイが出てきた。ジャスミンライスと蒸し鶏の上にかけるタレにはピッキヌーの輪切りが入っていて、辛さは相当なもの。地元の人はさらに”追い”ピッキヌーをする。だが、これが「チキンライス」を「カオマンガイ」に変える。けっしてただのチキンライスではないのだ。味は…申し訳ないが、とても文字で書き表すことはできない絶妙な味とだけ書いておこう。知りたい人はパトンビーチを訪れればいい。
近頃はパトンを訪れる際、わざわざバイレイに近いホテルを選んで宿泊し、食べたくなったらテイクアウトしてホテルの部屋で食べることにしている。それならビールと一緒に食べれるし、何と言ってもホテルはエアコンが効いている。
しかし、どうしても何回かに1回はあの蒸し暑い店内で食べたくなるのだ。
あえてのカオマンガイ
それ以来日本でもタイ料理のお店に入るとカオマンガイがあるかどうか確認し、あったら必ず頼むのだが、どうしても日本で食べるのは上品すぎて本来の味を味わうことが出来ない。またタイの他の都市(バンコクなど)で食べても、どうも味が違う。自分にとってのカオマンガイは、バイレイで食べるカオマンガイだ。
この記事のタイトルをあえて”バイレイの「カオマンガイ」”としたのは、そういった理由からだ。
多くの人がブログに書いているし、プーケットの情報誌や情報サイトにも必ず載っているバイレイの「カオマンガイ」、わざわざパトンビーチまで出かけて食べる価値がある。
最近、バイレイ以外にお気に入りの店が出来た。それはまた別の機会にでも紹介しよう。そちらはまだまだマイナーな店だ。
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