サイクリング・ツアー中にパンクしたときは自分でチューブを交換しよう

スポンサーリンク

ヨーロッパ・サイクリング・ツアー イメージ

自転車で出かけるのに良い季節になりました。

フライトがご案内するヨーロッパ・サイクリング・ツアーも、これからがシーズンです。日本では味わえない、素晴らしい景色の中を自転車で走ることは、この上ない非日常の体験です。

しかし、事情が違う海外でのサイクリング中にパンクしたら?

心配はご無用、この記事の通りに対処すれば、サイクリング・ツアーをさらに楽しむことができます。

今回は、サイクリング・ツアー中にパンクした場合の対処法についてご案内します。

スポンサーリンク

ツアー費に含まれるサービスキット

このサイクリング・ツアーの利点は、自分に合ったサイズや、さまざまなタイプの自転車をレンタルすることができること。海外旅行になるわけですから、自分の自転車を持って行く人は相当のマニア、ほとんどの人が自転車をレンタルしてツアーに参加することになります。

しかし、自分のものではない自転車で、さらには事情が違う海外でサイクリング中にパンクしたとき、日本のように近所の自転車屋さんに駆け込むことはできません。

ツアーには24時間対応の「オンサイト・サポート」を用意していますが、事故や重大なトラブルの時のための対応です。

基本的に「パンクは自分で対処」することです。

ツアー開始時には、あらかじめ予約しておいたレンタルバイクをスタッフが用意してお待ちしています。
そして、参加者の体格にフィットするよう、その場で自転車を調整してお渡しします。

パンク修理のサービスキット

その時、ツアー詳細の書面とともにお渡しするのが、画像のようなパンクのための「サービスキット」。

  • 交換用インナーチューブ
  • 工具類
  • 空気ポンプ

近くに水辺があればともかく、パンクした箇所を探すことは、素人にはかなり困難です。このサービスキットを使って、インナーチューブそのものを取り替えましょう。

手順1 自転車からタイヤを外す

万が一パンクしたら、慌てず落ち着いて作業しましょう。

最初は、パンクした方のタイヤをホイールごと自転車から外します。

そう聞くと、かなり大掛かりな作業のイメージがありますが、当サイクリング・ツアーでレンタルできる自転車は、クイック・リリース(クイック・レリーズ)式です。

クイック・リリース(クイック・レリーズ)とは?
工具無しで簡単にホイールを脱着するためのパーツ、またはその機構のこと。

自分の自転車でさえタイヤを外したことがない方でも、簡単に外すことができます。

では、さっそくタイヤを外します。と、その前に…

自転車を逆さに置きブレーキを解放する

いきなりホイールごとタイヤを外そうとしても、タイヤを挟んでいるブレーキブレーキが邪魔をして外せません。そのためには、タイヤを外しやすいように、ブレーキを解放(広げる)します。

作業の前に、ハンドルとサドルを下にして、自転車を逆さまに置きます。自転車整備用のスタンドなどない状態では、タイヤを上にした方が作業がしやすいからです。

次に、ホイールごとタイヤを外せるよう、パンクした方のタイヤのブレーキを解放します。

レンタルバイクのブレーキは「Vブレーキ」といって、ホイールのリム部分を挟んでブレーキをかける方式のもの。ブレーキを広げて、タイヤを外しやすくします。レンタルバイクのブレーキ解放は、一般的なロードバイクやクロスバイクよりも、かなり簡単です。

  1. ブレーキアーム中央部分の黒いカバーを奥に引っ張り、同時にブレーキワイヤを手前に引きます。
    そのままワイヤを上に押し上げれば、ブレーキアームからワイヤが外れ、アームが広がります。(画像①)

    ブレーキを外す1

    画像①

  2. ブレーキからワイヤが外れた様子です。(画像②)

    ブレーキを外す2

    画像②

クイック・リリース・レバーを持ち上げタイヤを外す

ブレーキが解放されたら、タイヤを外します。前輪は、クイック・リリース・レバーの操作だけで簡単に外せます。

  1. タイヤホイールの中央部分にあるクイック・リリース・レバーを持ち上げ、タイヤが外れるまで反時計回りにレバーを回します。(画像③)

    クイックリリースレバー

    画像③

  2. 後輪の場合は、最初に一番小さな(重い)ギアに変速しておきます。そして、リアディレイラー(画像④)を後方に引きながら、タイヤを外します。ホイールの軸についている複数枚のギアはタイヤごと外れます。

    後輪の外し方

    画像④

スポンサーリンク

手順2 タイヤをホイールから外す

自転車からタイヤホイールが外れたら、いよいよチューブ交換に取り掛かります。最初は、タイヤの外側(以下タイヤカバーと言います)を外します。

タイヤの空気を全部抜く

作業しやすいように、バルブを緩めてチューブの中に残っている空気を抜きます。

タイヤレバーを使ってカバーをリムから外す

サービスキット内にあるタイヤレバーを2本使って、タイヤカバーをリム(金属の輪っか部分)から外していきます。

  1. タイヤレバーをタイヤカバーとリムの間に入れます。(画像⑤)

    タイヤレバーを差し込む

    画像⑤

  2. 差し込んだタイヤレバーを押して、タイヤカバーのビード(リムの中に隠れているタイヤカバーのふち部分:中に鋼線が入っている)を出します。(画像⑥)

    ビードをリムの外側へ出す

    画像⑥

  3. タイヤレバーにはフックがありますので、それをスポークにひっかけて固定し、もう1本のタイヤレバーをリムとの間に差し込んでビード部分を全てリムから外します。(画像⑦)

    2本のタイヤレバーでビードを外す

    画像⑦

手順3 チューブをリムから外す

外側のタイヤカバーは、全てホイールから外す必要はありません。タイヤカバーがついたまま、インナーチューブを外していきます。

  1. バルブ(空気を入れるところ)根本のナットを緩めて外します。(画像⑧)

    バルブを外す

    画像⑧

  2. バルブをタイヤ側へ押して外します。(画像⑨)

    バルブを外す

    画像⑨

  3. タイヤからインナーチューブを引き抜きます。(画像⑩)

    チューブを外す

    画像⑩

  4. タイヤカバーにパンクの原因となるものが残っていないか確認します。(画像⑪)
    パンクの原因を確認する

    画像⑪

    同様に裏側からも確認します。(画像⑫)

    パンクの原因を確認する2

    画像⑫

手順4 新しいチューブを挿入する

古いチューブを取り除いたら、サービスキットに含まれる新しいチューブを、タイヤカバーとリムの間に挿入していきます。

  1. 新しいチューブに少しだけ空気を入れます。(画像⑬)

    チューブに空気を入れる

    画像⑬

  2. チューブのバルブを、リムのバルブ差し込み穴が開いているところに差し込みます。(画像⑭)

    チューブのバルブをリムに差し込む

    画像⑭

  3. そのまま、タイヤカバーとリムの間にチューブを押し込んでいきます。(画像⑮)

    チューブをタイヤに押し込む

    画像⑮

スポンサーリンク

手順5 タイヤカバーをリムに取り付ける

チューブが全てタイヤカバーとリムの間に入ったら、再びタイヤレバーを使ってタイヤカバーのビード部分をリムの内側へ入れていきます。ここでは、少し力が必要です。

  1. タイヤレバーを使って、テコの原理でビードをリムの内側へはめ込みます。(画像⑯、⑰)
    ビードをリムに入れる1

    画像⑯

    ビードをリムに入れる2

    画像⑰

  2. その後、両手でタイヤをリムへ押し込みます。(画像⑱)

    タイヤをリムに押し込む

    画像⑱

  3. バルブを奥まで押し込み、ナットで固定します。(画像⑲)

    バルブを押し込む

    画像⑲

  4. 最後にバルブから空気を完全に入れます。(画像⑳)

    バルブから空気を入れる

    画像⑳

手順6 タイヤを自転車に取り付ける

空気を入れてみて問題ないようであれば、取り外した時とは逆の工程で、タイヤを自転車に取り付けていきます。

  1. タイヤをフレームへ取り付け、クイック・リリース・レバーを時計回りで締めていきます。
    後輪の場合は、リアディレイラーを緩めながら(ペダル側へ押しながら)、チェーンを一番小さなギアへ引っかけます。
  2. 広がったままのVブレーキを、外した時とは逆の工程で取り付けます。

タイヤがパンクしたらチューブごと交換するのがベスト

サービスキットの中には、パンクした場所がわかった際に補修するための用意もあります。しかし、先に述べたように、サイクリングの途中で、パンク箇所を見つけるのは容易ではありません。

パンクしたら、チューブごと交換するのが最善の策です。

この方法は、サイクリング・ツアーの自転車に限らず、全ての自転車に共通する方法です。

ここに紹介した画像のほか、交換作業の映像も用意してあります。

チューブ交換の方法を心得ておくことで、パンクの心配をすることなく、安心してヨーロッパでのサイクリング・ツアーに参加することができるでしょう。

より重大なトラブルの時には、24時間のオンサイト・サポートもあります。必要に応じ、スタッフがトラブル箇所に駆けつけ、場合によっては自転車を交換することもできます。

これを読んで、ヨーロッパ・サイクリング・ツアーに参加したくなったら、下記よりご検討ください。

(画像提供:© Eurofun Touristik GmbH)

コメント

スポンサーリンク