ヴェネチア・リド島からつながるラグーナ南端に位置し、ヴェネチアの魅力をぎゅっとまとめたような、アドリア海最大の水揚げ高を誇る港町。
そして、キオッジャと大きな橋でつながるソットマリーナは、細長い島の上のビーチリゾート。
2024年夏、トスカーナからフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアまで旅した途中、このキオッジャ&ソットマリーナに2泊しました。
まるで「小さなヴェネチア」のようなキオッジャと、滞在拠点として最高のビーチリゾート・ソットマリーナをご紹介します。
「小さなヴェネチア」キオッジャと新市街ソットマリーナ
冒頭で触れた通り、キオッジャはアドリア海最大の水揚げ高を誇る港町。とはいっても、キオッジャのあるカルティエリ島は南北に約1キロ、東西に約800メートルととても小さく、1時間もあれば島中を回ることができます。
ヴェネチア名物の魚介料理はキオッジャで獲れた魚介をベースに提供され、いわばヴェネツィアの台所。街の中心には魚市場があります。
古くは5世紀、ビサンティン帝国の一部と記されていたことから始まり、14世紀にはジェノバとヴェネチアによる「キオッジャの戦い」の舞台となり、その後ナポレオンによりヴェネチア共和国の一部として統治されたという歴史があります。
そんなキオッジャの魅力といえば、やはりイタリアの港町特有の色とりどりな家並みと、それを映す水面によるフォトジェニックな景観。また、オーバーツーリズムに悩むヴェネチアとは違って観光客もそれほど多くはなく、静かに時間が流れています。
そのキオッジャと橋一本で繋がっているソットマリーナ島の一部、ソットマリーナは、行政区分としてはキオッジャの一部である分離集落(フラツィオーネ)で、キオッジャが旧市街なら、ソットマリーナは新市街といったところです。
ビーチ沿いのプロムナードは2キロにも及び、ビーチにはウォーターパーク、海の家が連なっています。プロムナードに沿った道路沿いにはホテルやレストランが立ち並び、イタリア人のビーチリゾートとして賑わいます。
バーカロめぐりならキオッジャへ行け!
ヴェネチアのグルメといえばバーカロ。
いわゆる立ち飲み居酒屋で、グラス片手に「チケッティ」という魚介中心の格安つまみを食べながら「はしご」を楽しむヴェネチア独特の文化です。スペイン・バスクのバルめぐりのように、少し飲んでは次のバーカロへ、そこでまた少し飲んで次へ、ヴェネチアの夜はこうして楽しむのが”おつ”。
オーバーツーリズムに悩むヴェネチアではバーカロに入るのも一苦労ですが、ここキオッジャなら予約なしでも気軽に楽しむことができます。
オススメは運河沿いにある以下の2軒。
BACAROFRYTOは週末しか営業していません。訪れた時はちょうど週末で、夕方になるとかなりの人で賑わっていました。しかし、バーカロにしては少々お高いので別のところを探したところ、Bacaro la lanternaを見つけ、そこでキオッジャの夜を楽しみました。
メニューにはイタリア語以外に英語でも書いてあるので、なんとなく想像することができます。
オススメはバッカラ(干し鱈)やアリチ(オイルサーディン)のクロスティーニ、北イタリアのお袋の味ポレンタ、生ハムやアランチーニなど。その他のメニューは画像をご覧ください。
これ以外にも、運河沿いや目抜通りのコルソ・デル・ポポロには多くのバーカロがあります。
アドリア海に面したビーチリゾート、ソットマリーナ
キオッジャが街並みとバーカロを楽しめる街なら、ソットマリーナはアドリア海に面したビーチリゾート。
シチリアのタオルミーナのような高級リゾートではなく、ファミリーで楽しめる庶民的なリゾートといったところでしょうか。
約5キロにも及ぶ美しいビーチには幾つもの海水浴場が設けられ、色とりどりのパラソルとビーチバーが連なっています。その中央にはAstoria Villageというファミリー向けのウォーターパークがあります。
ビーチに沿ったプロムナード沿いには、B&Bや2〜4つ星ホテルが立ち並びます。庶民的なリゾートゆえ、5つ星やラグジュアリーホテルはありません。
数あるホテル群の中から、我々のベースに選んだのは、Hotel Ideal。ソットマリーナのビーチ沿いのど真ん中に立つ、3つ星ホテルです。
目の前には上述のウォーターパークが構えていて、夜はさぞうるさいのかと思いきや、窓は完全防音のため、至って静かです。せっかくなのでシービューの部屋を予約し、夜はテラスでビール片手にウォーターパークの賑わいを眺めていることができます。
チェックインの時に、近所のレストランの割引クーポンをいただいたので、さっそく隣のLotusというレストランで昼食です。
反対側の隣にもPissaparolaというテイクアウト主体のピザ屋があり、食事には困りません。
ビーチでゆったりとしたいなら、目の前のプロムナードとウォーターパークを横切れば到着です。波打ち際に佇むBistro Beachで、イタリアの定番、アペリティーボを楽しむことができます。
キオッジャまでも徒歩15分、ちょうど散歩しながら向かうことができ、ロケーションは最高でした。
他にも良いホテルはたくさんあるのですが、清潔で朝食も美味しいこのホテルはおすすめです。
バス旅にぴったりなキオッジャ&ソットマリーナ
パッケージツアーに頼らずに思い通りの旅をするなら、移動手段を駆使することは必須ですが、意外と鉄道よりもバスは使いやすくて便利。市内循環バスは路線も多くわかりにくいですが、パドヴァやベネチアからキオッジャへ移動するような中距離バスは、路線は1つですので探しやすく、便利なことこの上なし。
イタリア国内では、FS BusItaliaが代表的。その他にもいくつかバス会社があります。
また、イタリア国内に限らずヨーロッパを長距離バスで移動するなら、Flixbusという、長距離バス専門サイトもあります。
ブオンコンヴェント同様、キオッジャも以前からずっと行きたいと思っていて、今回の旅行でどうしても訪れようと、ある意味無理無理日程に組み込んだ街です。
それだけに、今回はイタリアのローカルな乗り物をたくさん利用しました。
鉄道とバスを駆使すれば、このようにもっとイタリアのディープなエリアを旅することができます。
【アクセス】
北イタリア最古の都市パドヴァからバスで約1時間15分。
パドヴァ駅前バスターミナルから、FS BusItaliaのLine E005のSottomarina行きに乗ります。
料金は2024年現在で片道5.70ユーロ。
別途、ヴェネチア・メストレ駅からもバスが出ています。
Ariva Veneto
料金は2024年現在で片道6.90ユーロ。
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