2024年6月下旬から7月にかけて、イタリア3週間の旅行に出かけた。
目的は、
- ツール・ド・フランス2024のグランデパールをフィレンツェで観ること
- 当社販売のヨーロッパ・サイクリング・ツアーの視察
の2点。
コロナ禍を機にサイクリングの人気が高まっていることもあり、海外旅行とサイクリングの組み合わせは新しい旅の形として注目されそうだ。
このサイクリング・ツアーをより多くの人に知ってもらうため、還暦の社長(筆者)と専務自らツアーに参加し、サイクリング・ツアーを体験してきた。
計画〜申込み〜準備
きっかけはやはりコロナ禍。海外旅行はパッタリと止まってしまい、海外専門の当社は何もすることがない。
その時に偶然テレビで見始めのが、ツール・ド・フランスをはじめとするサイクルロードレース。見ていても面白く、また今までママチャリ程度しか乗っていなかった自分にとって、スポーツとしての自転車のポテンシャルを感じた。
そうなれば、もっとスポーティーな自転車でいろいろ走ってみたくなる。
とはいえ、還暦の自分がいきなりロードバイクに乗るのは無謀だろう。そこで、電動アシスト機能があるe-bikeを購入した。
それからというもの、都内の主なところは電車を使わず、ほとんど自転車で移動。公共の交通機関を使わないから、コロナ感染の危険も少ない。
やっと海外旅行が少しずつ戻ってきた2024年、ツール・ド・フランスはイタリア、フィレンツェからスタートすることを知り、
「これを見にイタリアへ行こう。
そして、どうせ行くなら自社で販売しているヨーロッパ・サイクリング・ツアーも視察してこよう。」
ということになった。
当社ではオーストリア、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル各国のサイクリング・ツアーを紹介しているが、ツール・ド・フランスをイタリアで観るのであれば、視察もイタリアのサイクリング・ツアーがいいだろう。ということになり、イタリアの各コースから自分たちの体力にあったコースを選ぶことに。
グランデパールはフィレンツェなのだから、フィレンツェを起点としたコースにすれば良いものを、どうせなら自分たちが気になっていたフリウリ・ベネチア・ジュリアを周遊する「フリウリ8日」コースで走ってみたいと思った。
ここからが大変。
フィレンツェとフリウリ・ベネチア・ジュリアの中心ウディネは、約400キロも離れている。
そしてスケジュール。
ツール・ド・フランスの第一ステージは6月29日土曜日。一方ツアーの「フリウリ8日」は毎日設定ではなく、毎土曜日スタートのコース。第一ステージを見届けてからすぐウディネへ移動しても、規定の時間に到着することはできない。
結局、サイクリング・ツアーは翌週の7月6日土曜日スタートとして、その間の1週間はその2地点から行きやすい他の町に滞在しながら移動しようということになった。
これが、旅行が3週間という長い日程になった理由だ。
果たして300キロも走れるのか?
冒頭で触れた通り、筆者と専務はそれぞれ還暦を迎えている。
そんな二人が、果たして「フリウリ8日」コースの総距離約300キロを走り切ることができるのだろうか?
このサイクリング・ツアーは、自転車の費用は含まれず、オプションで自転車を選べるようになっている。もちろん、オプションを利用せず自分の自転車で走ることもできる。
日頃乗っているのがe-bikeだから、やはりレンタルするバイクもe-bikeが良いだろう。
それにしても1日平均40〜50キロなど、今まで走ったことがない。
この旅行を計画してから、時間があるときはできるだけe-bikeに乗って練習してみた。それでも、1日30キロ走れれば良い方。アシスト機能があるとはいえ、やはり自分の脚力は必要であること、また長時間サドルに座っていることで、それなりに疲れる。
ただ、時速10キロで走れば、5時間で50キロ走れることになる。途中バールなどで休み休み走れば、行けないことはない。
無謀な計画かもしれないが、そう楽観的に捉えていた。
出発前の準備
ウェア
ロードレーサーであれば、サイクルジャージやパンツ、ウェアにもこだわるだろうが、自分たちはそれほど本格的なライダーではない。
なんといっても、自社で販売しているツアーの視察なのだ。
怪我なく視察できれば良いと考え、夏のイタリアで対応できるウェア(Tシャツ、短パン)で良いと思った。
ヘルメット
今まではヘルメットを被ることなく乗っていたが、イタリアでは自動車と同じ道路を走るため、ヘルメットは必須だ。思い立ってからすぐに、ヘルメットを購入した。
また、イタリアの法律では早朝及び日没30分前から、ライトを点灯しなければならない。車を運転する人に認知してもらえるよう、ヘルメットにつけられるLEDライトも用意する。
ヘルメットはスーツケースに入れることができなかったので、機内持込手荷物のバックパックにくくりつけて持ち歩いた。
雨対応
自転車を漕ぎながらでもすぐに着替えられるレインウェア、そして濡れても良いスニーカータイプのサンダルなど、細かなものを入念にチェックしながら用意する。
撮影機材
今回は視察を兼ねているのだから、記録に残しておかなければならない。それもできれば映像で。
自転車にカメラを取り付け、走る様子を撮影してYouTubeにアップしてウェブサイトと連動すれば、よりわかりやすくなるだろう。
そこで、振動にも対応するジンバル機能があるDJI Osmo Pocket3を購入し、それを自転車のハンドルに取り付けるホルダーを用意した。
毎日大容量の映像を撮ることが予想されるため、パソコンだけでは足りないので、小型のSSDも用意。
現地では、こまめに撮影した映像をSSDに落とし込むことが必要だ。
スマートフォン
このサイクリング・ツアーでは、スマートフォンにインストールした専用アプリでコースのナビゲーションが可能だ。
実際使ってみたところ、Googleマップのナビよりも自転車のナビに特化し、細いサイクルパスまで詳細に表示される。一度データをダウンロードすれば、オフラインでナビが可能だ。
今から思えば、このアプリのナビがなかったら、完走することはできなかっただろう。
10年前のイタリア旅行とは、細かいことがガラッと変わった。サイクリング時のナビはもちろん、スマートフォンがないと対応できないことが多くなる。
例えば、ベネチアの入島税・宿泊する人の免除のパスなどは、スマートフォンで表示して見せることになる。
そうなると、スマートフォンをはじめとするデバイス類の周辺機器もあれこれ用意しなければならない。
これ以外に通常の海外旅行の準備があるので、出発まで少しずつ準備を進めた。
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