ツール・ド・フランス2024のグランデパールをフィレンツェで
2024年6月25日、スイス航空でチューリッヒ経由フィレンツェへ。
なぜスイス航空なのかというと、航空券を検索していたとき、スターアライアンスの組み合わせが最も安かったから。
しかし、コロナ禍を経て空港や航空会社も人員不足なのか、定刻通りに運航してくれない。チューリッヒまでは多少遅れた程度だったが、その先のフライトは出発が1時間以上遅れ、フィレンツェ空港に到着したのは夜の11時過ぎ(本来は9:25到着予定)。
フィレンツェではB&Bを予約してあり、事前に登録、インストールしておいたネットによるアクセスキーでチェックインできるものの、空港からのトラムの最終にギリギリ間に合うくらいの時間になってしまった。
日付が変わってようやくフィレンツェ市内のトラム駅に到着。そこからスーツケースを引きずりながら、B&Bまで移動する。スマートフォンにインストールしてあったアクセスキーでB&Bの入口のドアを開け、古めかしいエレベーターで2階まで上がり、ようやく部屋に辿り着いた。
ホテルのチェックインのようにスタッフが対応するのではなく、鍵さえ開けばすぐに部屋にたどり着けるのは便利だった。
フィレンツェでの滞在は5泊。6月27日がチーム・プレゼンテーション、29日が第一ステージのスタートという飛び飛びの日程のため、結局5泊となってしまった。
この期間のほとんどのホテルは満室か、イベント期間のためとても高額。
いろいろさがし、Booking.comで見つけたLady Luna B&Bを選んだ。ドゥオーモから徒歩3分の好立地だ。
部屋自体も綺麗で清潔、フィレンツェ観光にもこのB&Bをお勧めしたい。
朝はB&Bから徒歩3分、ドゥオーモ前のCafe Opera(B&Bと経営者が同じ)で毎日朝食を取ることができる。
これは実に気持ちがいい。ホテルの朝食も良いが、こうして朝から開いているカフェのオープンテラスで朝食を取ることなどなかなか経験できない。
フィレンツェでの滞在については、また別の機会に紹介するとして、ツール・ド・フランスのチーム・プレゼンテーションと第一ステージスタートの様子は下記YouTubeをご覧いただきたい。
スタート地点のウディネに到着
フィレンツェでのツール・ド・フランスを体験した後、トスカーナのブオンコンヴェント、パドバ、キオッジャ&ソットマリーナに各2泊ずつして、いよいよサイクリング・ツアーの出発地点、フリウリ・ベネチア・ジュリアのウディネへと向かう。
ソットマリーナのバス停からベネチア・メストレ駅まではイタリア国鉄の長距離バス、そこからはローカル線でウディネまで1時間の移動だ。
ウディネ駅に到着して、駅構内のカフェで遅めの昼食。そして、タクシーでホテルへと向かう。タクシーに書かれた広告が「KOI RESTAURANT(アジアン料理)」だったのは面白かった。
駅から約10分、1日目のホテル、Suite Inn Udineに到着。
ウェブサイトによると、このホテルはBike Hotelと謳っているくらい、サイクリストに特化したホテルらしい。ホテルでも自転車の貸し出しをしているようだ。
フロントに届けられたサイクリング・ツアーからの書類を受け取り、部屋でゆっくりとそれを確認する。ツアー会社のスタッフは、19:20にホテルに来るとの記載がある。それまで、ウディネ市内を散策して、再びホテルに戻る。
約束の19:20、オーストリアからスタッフが来て、説明のためホテルの裏庭にあるテラスへ移動する。テラスの奥には自転車専用のガレージがあった。
同じツアーに参加するらしいオーストリア人のグループ3組と共に、さっそくツアーの説明に入る。最初はドイツ語で説明し、その後我々のために英語で説明してくれた。
届けられた書類に沿って日程、ラゲッジトランスファーについての説明の後、レンタルしたオプションのバイクの引き渡しと説明に移る。
オーストリア人グループも、みんなe-bikeをレンタルしていた。年齢は我々より一回り上のようだ。
説明は
- 2種類のキーの取り扱い(ロックキーとバッテリー取り外し用)
- アシストモードの切り替えとギアについて
- バッテリーの取り外しと充電について
- ハンドルバーバッグとパニアバッグに入っているもの
など、実際にレンタルされた自転車を触りながら確認する。
そして、裏庭のちょっとしたスペースで実際に乗って、感触を確かめた。普段自分が乗っている自転車よりかなり大きい。このバッテリーは、1回の充電で最大120キロくらい走れるらしい。
説明が終わって自転車をガレージに戻し、ウディネ最初の夜は、中心地のバール兼レストランで夕食。
ツアースタッフによる説明の様子は、以下YouTubeにて。
サイクリング1日目
翌7月7日、サイクリング1日目。
朝はガレージ近くのテラスで朝食。このホテルでは、前日までに朝食ではどんなパンがいいか、卵、チーズやハムは必要かどうかなどをチェックリストに書いてリクエストすることができる。おかげで、美味しい朝食をゆったりと取ることができた。
朝食前には、ツアー会社から受け取ったネームタッグをつけて、預ける荷物をフロント脇にまとめておいておく。これが、ツアー会社が次のホテルまで荷物を輸送してくれる「ラゲッジトランスファー」だ。もちろんこれはツアー費用に含まれる。
この日の最高気温は28℃、朝の天気は晴れ、まずまずだ。
朝食後、ガレージから自分たちのe-bikeを出し、筆者の自転車のハンドルバーにはスマートフォンを取り付けてナビが見れるようにし、専務の自転車にはOsmo Pocket3を取り付ける。この1週間のふたりの役割が自然と決まった。
さっそくこの日の目的地、サン・ダニエーレ・デル・フリウリへ向けて出発。
ナビに従って、車の通りの少ないサイクルパスを中心に走っていく。普段使っているGoogleマップのナビとは勝手が違い、最初は戸惑ったが、慣れてくると見やすい。かなり細いサイクルパスまで網羅してあり、途中途中立ち寄ると良いバールやレストランにチェックが入っている。
このサイクリング・ツアーのルートには、Alpe-Adriaサイクルパスの一部(FVG-1、ウディネ〜グラド間)、ユーロヴェロNo.8 Mediterranean Route及びAdriatic Seaサイクルパス(FVG-2)の一部(グラド〜グラディスカ・ディゾンツォ間の海沿いルート)が含まれている。
サイクルパスには下記のような標識が建っていて、このサインを辿ることで安心して自転車道を走ることができる。これ以外も、専用アプリのナビが的確にサイクルパスへと誘導してくれるので、道に迷うことがない。
ようやくナビにも慣れてきて、サイクリングも順調。撮影も問題なくできているらしい。
ところが、途中ファガーニャという街を過ぎたあたりから、雲行きが怪しくなってきた。しばらくするとかなりの大雨と雷、日本でいうゲリラ雷雨だ。
ここで事前に用意したレインウェアに着替えるものの、この雷雨では走れないと思い、途中の公園に東屋みたいなものがあったのでそこで雨やどりをして、様子を見ることにした。
しばらくしたら小雨になったので、再び走り出したのだが、サン・ダニエーレに近くなって再び雷雨、それもかなり激しいものだった。
再度様子を見るか、そのまま走り切るか迷ったが、あと30分くらいで到着予定だったので、土砂降りの中一気にサン・ダニエーレまで走った。
やっとホテルに到着した時には、雨は止んでいた。まだずぶ濡れのままフロントでガレージの場所を聞き、自転車を停めてからチェックイン。
9時過ぎにウディネを出発し、途中昼食も取らずに走ったので、午後1時過ぎには到着した。この日の走行距離は約45キロ。
午後はバールで遅めの昼食、そして夜はドゥオーモ近くのレストランでサン・ダニエーレの名物生ハムとフリウリ料理で、サイクリング1日目を終了。
暑さとの戦い
翌7月8日は、サン・ダニエーレからコドロイポまでの約55キロ。
この日の気温は33℃、晴れ。前日の豪雨とは違い、この日は終日晴れなのだが、その分暑い。
暑さを考慮して、朝9時に出発。
この日は葡萄畑やトウモロコシ畑(北イタリアの食事に欠かせないポレンタ用か?)の間を通るサイクルパスが中心。時々グラベル(農道のじゃり道)が現れ、自転車に取り付けたカメラでの撮影に影響がありそうだ。
だんだんと日差しが強くなり、半袖の腕をジリジリと照りつける。ゆっくりと昼食を取るよりは、早く目的地についてゆったりとしたい。
コドロイポに近づくと、かなり長い一本道のサイクルパスがある。曲がることがないので、実に気持ちがいい。行き交う他のサイクリストと挨拶しながら、ひたすらゴールを目指す。
話は変わるが、毎日違うホテルに宿泊するので、洗濯が間に合わない。1日が終わるとぐったりして、部屋で洗濯する気にもならない時がある。
そんな時は、ホテル周辺のコインランドリーを探して、洗濯機で一気に洗濯してもらう。
コドロイポでは、ちょうどホテル近くにコインランドリーがあったので、到着前にその日洗濯したい衣類をドラムに入れてホテルへと向かう。
午後2時頃ホテルに到着。チェックインを済ませ、涼しい部屋で一息ついた。
このホテルは4つ星、レストランもあるので夕食の心配はない、と思っていたら、この日に限りレストランは休業とのこと。
コインランドリーに洗濯物をとりにいくついでに、途中にあるスーパーマーケットに立ち寄って、昼食と夕食を買い込む。この日は部屋でゆっくりと食事だ。
広い部屋と広いテラス、4つ星ホテルでサイクリングの疲れを癒す。
ルーフトップテラス付きの部屋と美食のホテル内レストラン
7月9日、コドロイポからマラーノ・ラグナーレへ、約50キロ。
だんだんと気温は高くなり、この日の最高気温は34℃、初日以降雨の降る気配はない。
コドロイポを出発してすぐ、ヴェネツィア最後の総督の夏の離宮であるヴィラ・マニンがある。ナポレオンも滞在したことがあるそうで、かなり豪華な建物だ。
そこを通り過ぎて、この日もトウモロコシ畑の中を走る。日本では北海道くらいしかないだろうというような、ひたすらまっすぐな一本道が続くかと思えば、前日同様畑の中のグラベルが交互に続く。しかし、着実にアドリア海へ向けて南下しているのだ。
こんな暑い日は、早く到着してバールで冷たいビールを飲みたい。そう思い、マラーノ・ラグナーレを目指した。
この日も午後2時前にはマラーノ・ラグナーレ市内に到着。ホテルもすぐに見つかり、e-bikeをガレージにおいてゆっくりしたいと思ったのだが、ホテルはなぜか開いていない。
入り口に張り紙があり、午後3時以降にオープンするとのこと。こんなホテルもあるのか?
仕方なく自転車で旧市街へ戻り、バールで軽食をとり、再びホテルに戻った。
チェックインを済ませ、キーをもらって部屋に行くと、なんと3階建ての最上階、部屋と同じくらいの広さのルーフトップテラス付きだ。
これはラッキーと思ったが、なにせこの暑さ。テラスでくつろぐよりは、部屋の中で涼んだほうがいい。季節が違えば、きっといい部屋だっただろう。
この日のホテル、Hotel Jorandaは、3つ星ながら朝食以外の食事を提供するレストランが併設されている。
旧市街までは自転車なら3、4分だが、歩いていくには少し距離がある。それなら、ホテルのレストランで食べた方が涼しいし、気兼ねなくワインも飲むことができる。
近所の学生グループも食べに来るような気さくなレストランで、ゆったりとした夕食を取ることができた。
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